薄氷の風狼


――オレは何も持っていなかった。


親も、
友達も、
名前でさえ、

自分のものは何もなかった。



ある時からみんなが家族になってくれて…

心の中の冷たいところが少しずつとかされていく。

その感覚は不安ではあったけど……とても心地よかったんだ――。

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