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□はやくその毒をください
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エロ要素注意。



処女膜から流れる血っつーのはとある信仰の世界では大きな意味合いがあるらしく。
残念ながら私は既に貫通済みで、だからあなたが望むものは与える事が出来ず、しかしあなたが他の誰かさんにそれを提案するのは内臓がグルリとなるほど嫌な気分で。だから。

「一年間くらいヤらなかったら処女膜再生するらしいから。」
「‥クダラナイ。只の噂だろ。」
「股から血ぃ出たら同じでしょ。生理は別として。」
「あ、オイ!やめろ!」

数奇の声を無視して私は制服のスカートの中に右手を突っ込んだ。
そして少し戸惑ったものの、勢いのまま生殖だの出産だのに使う穴に中指をぶっ刺す。
気持ち良いわけが無い。目が見開く。息が止まる。クソ痛いったらありゃしない。

「っだぁぁいー!!」
「バカ!何やってんだよ!」
「‥慣らしてから入れたら血ぃ出ないじゃん。」
「だからってそういうコトすんの、ヤメロッ。」

ギザギザの歯を噛み締めて睨んでくる彼は赤い顔。
怒ってるのか照れてるのか。私にとっちゃそんな顔、見れてラッキー以外の何者でもないんですけど。

「‥っぐはぁ、でもせっかくだから、私の血使ってね。」
「‥あの儀式は本気で実行するつもり無かったのに‥。本当バカだよ、オマエ。」

ため息をつきつつも、件の儀式の詳細をさっそく調べている数奇。分厚い黒表紙の本をパラパラ捲る指が長くて綺麗。
今膣内にある指がその青白い指だったらなんていかがわしい考えが浮かぶと、内部で潤滑油が分泌されそうになって焦る。
公開自慰行為とか。ちょっと待って、私達そういう色っぽい関係とはちょっと違うんですけど。現に彼はこんな状態の私に目もくれず、探し当てた詳細を黙々と確認している。
虚しさより痛みに顔を歪ませて指を引き抜いた。流れたであろう体液をすくう気持ちで。

「‥あ。」
「‥ナニ。あ、ティッシュいる?」
「血ぃ全然出てなかった。」
「‥‥。」

パタリ。
本を閉じた数奇が少し残念そうだった。
自分の気持ちに素直すぎるあなた。もっかい赤くさせてやろうか。

END
20110513
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