氷の世界

□6話
1ページ/9ページ


あの行方不明事件(アンの部屋)から数日

「太宰さん…?」

何故か太宰さんには毎日確認されるように
後ろから抱き着かれている状況である
当然、一緒の家に帰っているわけで
寝室は別にされていたのを一緒にされ
ほとんど四六時中一緒に居るのが当たり前にされてしまった

「何だい?」

「放して貰えますか」

「嫌だと言ったら?」

「朝食が無くなるだけですので構いませんけど」

「其れは困った」

そう言ってやっと放して貰えたあたしは
今日は、ちょっとした束の間の2人での休日だ

社長曰く
「この休みが終われば、暫く探偵社全員仕事にかかりきりになる」
との事で

太宰さんと放れて朝食づくりに取り掛かると

「流石梓紗だね」

「他に褒めても何も出ませんよ」

そう言ったのは

「どうしてそう思うんだい?
ここ最近の私はあまりお昼に【うずまき】に行くことも無くなった。
其れはいい事だろう?」

良いことなのだろうか?
良くは分からない

朝食を食べ終えてから、太宰さんが

「梓紗が此処で生活するのに必要なものを
買いそろえておきたかったけど。
暫くは帰ってこれそうにないから。其れはまたの機会にしておこうか」

「え?」

「言っていただろう?
暫くは探偵社全員仕事だと」

「そうですけど」

「其れには、一条梓紗。
君も例外はないよ。勿論。乱歩さんもそう言うつもりなのだろうけど」

「へ?」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ