月花に咲く雪花

□3話
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あの後Qを起こさないように
そうっと、其の儘寝かせておいたあたしは
執務室のソファーベッドで仮眠を取っていた

「梓紗ちゃん」

「Q…?もう、朝?」

「うん。でも、寝る所…」

「いいのよ。Qだってずっと座敷牢に入れられていたんだから
あたしといる時くらい、子供のままでいて頂戴?」

「いいの?」

「勿論。さ、着替えてきちゃうわね」

「僕、また座敷牢だ」

そう言ったQがとてつもなく寂しそうだ

「Q」

「…?」

首をかしげて来たQに

「あたしの物でいいのなら、何かを座敷牢に持って行くと良いわ」

「でも」

「いいのよ。Qの心の方が大事だもの」

そう言ったあたしの言葉に
寝台からあたしの普段から使っている
毛布を持ってきたQ

「其れがいいの?」

「これがいい」

「なら、其れをQにあげるわ。
そしたら、あたしがいなくて座敷牢にいる間でも
寂しくなんてないでしょう?」

パアっと明るくなったQに安心をしたあたしは
寝室に行くと、立海の制服に着替える
勿論。何かあった時のための暗殺器具も
持ち歩かなくてはならない

「Q?」

仮眠室を出ると、治君と中也がQと一緒にいて

「ねえ」
「おい」

「何よ?」
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