月花に咲く雪花

□5話
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翌日、朱里はいつもよりも早く起きて
早めに本部を出ていた

「朱里」

「お兄ちゃん?」

「立海での事は任せたよ」

「当然。私たちの妹を泣かせたり怖がらせたりした
仕返しは当然受けてもらうわよ」

「そうかい」

そんな会話を執務室の入り口で聞いていたあたし

「おはよぅ」

「あら。随分と早いのね?」

「だって、ほら此処は梓紗の執務室だからじゃない?」

「そう言う事」

「そ。まだ早いから中也の所にでも行って来たら」

「んー…んーん。行かない」

「あら珍しい」

目をこすろうとしたときだった

「目をこすらない方がいいよ。
目に傷がついて黴菌が入って物貰いが出来てしまうよ」

「やだ…」

奥から来る3人の人影に
治君の後ろに隠れると

「おい。何で太宰の後ろに隠れやがる梓紗」

「ちゅーや…?」

「ったく。夜中に来るかと思えばすぐに出て行きやがって」

「そうなんだ?」

「ああ」

「彩伽は?」

「すでに昨日頼んでいる仕事の続きだ
どうせ慌てちゃいねえから徹夜は禁止させてる」

「だろうね。でも、梓紗が関われば話は別物になるよ」

「当然だろ」

ぐっと引っ張られたあたしは
中也に抱き留められていて
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