月花に咲く雪花

□7話
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やだと言ったのに!
言ったのに、連れて来られたのは
治君の執務室で

「何で、連れて来たの」

「言っただろ?少し話をしよう」

「したくないもん」

どうせ、何か気に食わなければ
また抓ってくる。そう思っていたのに

「あぁ。そっか抓ってしまったことを怒っているのだね
まぁ、私が怒っている理由は1つなのだけれどね」

治君の膝の上に座らされたあたしは

「さてね。何で探偵社に勧誘されたことを黙っていたのかな」

「朝だもん。此処を出てから」

「へぇ。出てから。
ということはあの蛞蝓は全て知って居るのだね」

「知ってる。中也を蛞蝓だなんて言わないで」

「それは梓紗次第だろう?」

「何でよ」

「其の儘の意味だろ?で?何て言われたんだい?」

「治君が訊いたまんまだよ」

「へぇ成程ねぇ」

何がなるほど。何だろうか

「いやあ。首領がね探偵社と停戦協定を結ぶなんて言って来たからさ」

はい!?

「なんでまた」

「恐らく探偵社はどうあがいても
梓紗と敦君が欲しいんだろう。
だけど、うちの首領だって早々手放すわけがない
だから停戦協定を結ぶしかないんだよ」

ふーん

「どうでもいいけど。あたしは
治君を許してないからね!」
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