小さな説

□時空移動
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う〜ん…おかしいなぁ…



「ねぇ、マルス。ココ、どこ?」

少し考え込むような表情で僕を見上げてきた彼は、ロイ。年は15で、僕の3つ年下だ。

領主の息子であるにも関わらず、勉強せずにいつも子供リンクやカービィと遊んでいる。

恋愛に興味なんてなかった僕が、彼に一目ぼれしてしまったくらい可愛い。純情で真直ぐで…子供で…。



今日は久々に買い物でもしようかと思ってスマDX寮を出てきたんだけど…。

母上、父上…僕は18年生きてきましたが、初めて迷子になりました…。まるで…FEからスマDXへ来た時みたいな…それとは違う異世界へ来てしまったみたいです。

「マルスー、どこかわかったら教えてねー。僕、向こう行ってるからぁー」

そういうなり、僕の返事も待たずに良い匂いのする…これはたこ焼き…かな?屋台へと走っていってしまった。

元気で可愛いんだけど…心配だなぁ…。

なんとか現在地だけでも…ん?あの子は…大人しそうかつ賢明そうだ。ここにもきっと詳しいんだろう、手には買い物袋をいくつかさげている。一人かな…?

「ちょっと…いいかな?」

僕の声に振り向いたのは、翠色の宝石の様に透き通ったキレイな瞳をした少年だ。彼と視線がぶつかり、彼は声をかけられたのは自分だと確信した様子だ。

「…はい」

落ち着いた、暖かみのある声で返事をした彼の眼はしっかりと僕を捉え、声とは裏腹の鋭い洞察力で僕を見ているような気がする。

「何もしやしないよ。ちょっと道を聞きたいだけだから」

僕のそう言った言葉が意外だったのか、彼の瞳は少しばかり揺らいだ。

「…そうですか」

彼はまだ疑っているようで、その双眼の鋭さは変わらない。

「笑わないできいてね。まず…ここはどこなの?」




ねくすと→彼
 

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