Tales Novels

□ティアルク短篇集
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コンコンとドアをノックする。返事はない。

入るわよ、と一方的に許可を取って部屋に入ると


安らかな寝顔が私を迎えた

最近は宿に泊まる暇もなかったから疲れが溜まっているのは当然。見ると靴も脱がずにいた―…文字通りベットに倒れこんだのだろう。
ベットに腰掛け、彼の朱色の髪を撫でる。
「…ん〜…」
幸せそうに身をよじる姿は何だか微笑ましくて。

私は静かな寝息をたてて眠る彼のおでこにそっとキスをして部屋を出た。

おやすみなさい、よい夢を――…。

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