Tales Novels
□Starry Heavens
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ふとその時気配を感じた
「……誰かいるのか…?」
と言って目を凝らしたルークの視線の先に移ったのは
「ここにいたのね」
「…ティア……」
「隣、いいかしら」
ルークの了解を得ると横に座り、先程のルークと同じように空を見上げた。
そんなティアの横顔はいつもの何倍も大人びて見えて、美しくて。思わずルークは魅入ってしまった。
「今の季節は空がすごく綺麗よね…放射冷却現象でひどく冷え込むけど」
「う、うん……」
ジェイドが前教えてくれた言葉は今ティアが言ったやつかな、と思い出す。
だが、それがどういう意味なのかは未だに曖昧なままだった。
「放射冷却現象。寒い季節に起こりやすい自然現象なのよ」
まるで、ルークの心を読んでいるようにティアはルークの疑問の説明を始めた
「…えっ?」
「だってあなた、顔にすぐ出るんですもの。放射冷却現象の意味解ってないでしょう?」
確かにその通りだ。ガイやアニス、ジェイドにナタリアまで総じてルークは嘘をつくことや隠し事が下手と口を揃えて言う。仲間達のこの意見は少々堪えた。
「よく晴れた夜は雲がないから地面の熱が空に逃げていく。気温が下がってしまって冷え込むのよ」
「へぇ…そうなんだ」
ルークは素直に納得して頷く。