Another story

□第一章〜異世界からの使者
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ネオ・アルカディアにとある訪問者がやってきていた。

黒いコートを被った彼はどうやらどこかの国の使者らしい。


本部に通された使者とおぼしき人物は今Xの王座の前にいる。


「X様、お会い出来て光栄です」


「僕も使者に対しては大歓迎だから嬉しいよ」


Xは他国からの使者に好意的なため、彼を王座にまで招き入れたのだ。


もちろん、横には護衛のレプリロイドがついているが。

「それでX様、早速ですが見せたい物がございます」


「へえ、何かな?」


だんじょうに上がった使者は献上品を持ち出した。


使者はXの元へ歩みより、そして………


「喰らえ、Xっ!」


隠し持っていたナイフを振り下ろした。


よける暇もない。護衛のレプリロイドですらXをブロック出来ないほど距離が近すぎた。


「なに………?」


だが、ナイフは止まった。

Xとナイフの間にロッドが差し込まれ、見事にナイフを受け止めていた。


「な……馬鹿な……!」


「そこまでよ」


ロッドを差し入れたのは一人の少女。


小柄だが線の細い美少女だ。


「X様から離れなさい」


「貴様……何者だ?」


名前を問われた少女はこう答えた。


「私はネオ・アルカディア四天王、妖将レヴィアタンよ」


凛とした目に思わず使者も黙る。


だが、すぐに体制を立て直すと彼女に向かってナイフを構えた。


「ふっ……計画を邪魔する者は消すまでだ」


彼はレヴィアタンに飛び掛かった。


「はァッ!」


彼女は体を入れ替えて使者の突きをかわすと素早く突きを放った。


「うお……!」


使者の横腹を槍がかすめ、彼は肝を冷やす。


(ちっ……小娘のくせにこの腕……ただ者じゃねえ)


使者は一旦引くことに決め、急いで身をひるがえすと王座から離れて走って逃げていく。


「待ちなさい!」


「待ってレヴィアタン、彼を追う必要はないよ」


使者を追おうとしたレヴィアタンだが、Xに呼び止められる。


「X様……!でも、今追わないと逃げられちゃう……!」


「大丈夫だよ、城壁を閉めるからもう逃げられない」


Xは先手を打って彼を逃げられなくするようだ。


城壁を閉めてしまえば逃げ道はない。
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