book1

□JEALOUSY
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場所は1年9組の教室。いつもと同じ昼食の時間。授業終了の挨拶をしたと同時に走り出し、購買にパンを買いに行った天然同士を除いた二人が三橋の机に自らのお弁当を置き、待っていた。

自分の隣に恋人がいないので、不機嫌な泉は机に肩肘をのっけながら「元先輩・浜田」と雑談をして時間を潰すことにする。

「お前さー。部活のときも、そんな感じなの?」

「はぁ!?何だよ、その訳がわかんねー質問はよ。殴られてーのか?」

当たり障りの無い質問した浜田に泉は怒り口調で返事をした。先ほどの発言を実行に移そうと拳を握りしめる。

‘ヒャリリリン ヒャリリリン’と三橋のカバンから携帯の着信音が聞こえている。

椅子から立ち上がり、殴る寸前だった泉は
「命拾いしたな。」と一言告げ、元の位置に戻った。どうやら対象物に興味がなくなったらしい。無機質な音のおかげで命拾いをした浜田は三橋の携帯にかけてきた、名も知らぬ人物にお礼を言った。


「言葉を発したら、殺されかねない…。」

今の状況は、それくらいギリギリ。浜田は机に突っ伏し、目を閉じて購買組が戻ってるのを待つことにした。 
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