book1

□言葉よりも大切な行為
1ページ/4ページ

現在、三橋は叶の部屋にいる。

シガポが出張、モモカンがどうしても休めないバイトがあるということで、この日は部活が休みと決まっていた。

叶は前もって、そのことを聞いていたので外泊届けを出していたのだ。

テーブルの上には、濃い目のカルピスが置いてある。

「こうやってうちに来るの久しぶりだな。」

「う、うん。」

ストローに口をつけていた三橋は、慌てて返事をした。叶はプッと笑い頭を撫でる。

「そんなに急いで飲むなよ。ノドが乾いてたのか?」

手を動かさず、顔を覗き込んで聞く。
「ち、違うよ。修ちゃ、んのお部屋に来た、の久しぶりだから、緊張し…。」

「相変わらず、カワイイな廉は。」

叶は大事そうに、後ろから抱きしめた。

三橋の顔は真っ赤になる。頭から煙が出てきそうなくらい。
「うお!」色気の無い声も全てが愛らしい。

(今日は廉をずっと抱きしめていたい。)と叶は思っていた。

が、コンコンっとドアをノックする音が二人だけの世界を現実に戻した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ