□十二創支と違法者の女
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校門が見えてきた。
『跳んで!!!!!』
俺は言われるがままに校門に向かって跳んだ。
刹那…ナイフの豪雨が俺達が元いた場所に降り注ぐ。
ズシャーと校庭にヘッドスライディングをかます。
メイはズシャーと中々格好良くスライディング。
「…………」
俺は黙って校門前を見る。
突き刺さったナイフの数……ふと見るとネコが一匹ナイフの豪雨の犠牲となっていた…頭に一本、前足に一本…体に三本、後ろ足に二本、尻尾に至っては切り落とされていた。
…おぇ……。
嘔吐感が俺を襲う。
更にあそこでメイが跳んでと叫ばなかったらと考えたら…体がガタガタと震えた。
「は…はは…し…死ぬかと思った…」
切れ切れになる言葉。
『まだ早いわ…地獄の処刑会はこれから始まるのよ』
と不適に笑うメイ。
しかしその表情に余裕はなさそうだった。
『出てきなさい!!!!』
闇に響くメイの声。
「来たれ、頼子」
俺は魔杖を喚び出す。
手には少し大きめな杖が握られた。
『もう一度言う!!!出てきなさい!!』
イライラした様子で叫ぶ。
暫く沈黙が続き、静寂が周囲を取り巻く。
『…きた』
校門のナイフの間に足を置き、こちらに歩みよってくる。
「…女?」
それは黒い長い髪をした18前後の女が俺達を睨みつけていた。
その後ろには体格の良い赤い髪の男が立っていた。
『…やっぱりアンタだったのね……真獄…』
メイは少しひきつった表情をしている。
「…閃光の…久しいな………」
男が前に出てきた俺との体格差は歴然だ…。
『…私になにか用かしら…私はアンタに用なんかないんだけど?真獄の闇…クロム』
「…俺もお前には用はない…用があるのはお前の一対だ」
『ルナに?』
メイの表情が険しくなる。
『なんの為に?』
「貴様に語る義理はない」
『…そう』
睨み合いが続いた。
女はナイフをホルダーから抜いた。
『…なら…』
メイの瞳が男を捉える。
『力ずくで吐き出させてあげるわ!!!!』
拳を振り上げ男に向かって走る。
「久方ぶりの殺戮だ…派手にかましてやる!!!!!」
男の拳に紫の炎が現れて燃え上がる。
『はぁあぁ!!!!!』
メイの拳に金色のオーラが纏わる。
「いくぞ!!閃光の!!!」
男、クロムは迎え討つ格好をとった。
『らああぁ!!!!』
迷わずメイは突っ込み、拳を突き出した。