□十二創支と違法者の女
3ページ/25ページ

校門が見えてきた。

『跳んで!!!!!』

俺は言われるがままに校門に向かって跳んだ。

刹那…ナイフの豪雨が俺達が元いた場所に降り注ぐ。

ズシャーと校庭にヘッドスライディングをかます。
メイはズシャーと中々格好良くスライディング。

「…………」

俺は黙って校門前を見る。

突き刺さったナイフの数……ふと見るとネコが一匹ナイフの豪雨の犠牲となっていた…頭に一本、前足に一本…体に三本、後ろ足に二本、尻尾に至っては切り落とされていた。

…おぇ……。

嘔吐感が俺を襲う。
更にあそこでメイが跳んでと叫ばなかったらと考えたら…体がガタガタと震えた。

「は…はは…し…死ぬかと思った…」

切れ切れになる言葉。

『まだ早いわ…地獄の処刑会はこれから始まるのよ』

と不適に笑うメイ。
しかしその表情に余裕はなさそうだった。

『出てきなさい!!!!』

闇に響くメイの声。

「来たれ、頼子」

俺は魔杖を喚び出す。

手には少し大きめな杖が握られた。

『もう一度言う!!!出てきなさい!!』

イライラした様子で叫ぶ。
暫く沈黙が続き、静寂が周囲を取り巻く。

『…きた』

校門のナイフの間に足を置き、こちらに歩みよってくる。

「…女?」

それは黒い長い髪をした18前後の女が俺達を睨みつけていた。

その後ろには体格の良い赤い髪の男が立っていた。

『…やっぱりアンタだったのね……真獄…』

メイは少しひきつった表情をしている。

「…閃光の…久しいな………」

男が前に出てきた俺との体格差は歴然だ…。

『…私になにか用かしら…私はアンタに用なんかないんだけど?真獄の闇…クロム』

「…俺もお前には用はない…用があるのはお前の一対だ」

『ルナに?』

メイの表情が険しくなる。

『なんの為に?』

「貴様に語る義理はない」

『…そう』

睨み合いが続いた。
女はナイフをホルダーから抜いた。

『…なら…』

メイの瞳が男を捉える。

『力ずくで吐き出させてあげるわ!!!!』

拳を振り上げ男に向かって走る。

「久方ぶりの殺戮だ…派手にかましてやる!!!!!」

男の拳に紫の炎が現れて燃え上がる。

『はぁあぁ!!!!!』

メイの拳に金色のオーラが纏わる。

「いくぞ!!閃光の!!!」

男、クロムは迎え討つ格好をとった。

『らああぁ!!!!』

迷わずメイは突っ込み、拳を突き出した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ