□召喚-戦闘-出逢い
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「…いいか?召喚ってのは自分の『魔力』を使って特殊な力を持った『異世界の住人』を喚び出すことを言うんだ、つまり、その『魔力』を自分から引き出さないと召喚は出来ないってことだ。」
基之に説明を始めたのは爺ちゃんが帰ってきてからだった。
そうした方が俺の知らないことを爺ちゃんが補ってくれると思ったからだ。
もちろん魔導書のことも話した。
……喜んだよ。
すっげぇ喜んだよ……………召喚師になるのかぁ〜……って……。
俺はシカトしたけどね。
そして今説明を始めたところだ。
「ただ、自分の魔力の数値は簡単には上げられなくて鍛えにくい、上げる方法も幾つかあるけどどれも辛く、厳しく、危険度(リスク)が高い。」
基之はウンウン頷き、メモを取る。
「俺の場合は、召喚師の血を受け継いでるから『生時魔力』が多かったんだ。」
「『生時魔力』?」
疑問を口にした基之に、爺ちゃんが説明を加える。
「人が産まれた瞬間に持つ魔力の事じゃよ、基之もその『生時魔力』を持って産まれたんだぞ?」
「へぇ…」
基之は感心の声と同時にペンをメモ帳に滑らせる。
「じゃあ実際に見せるか……その方が楽だし…いいよな?爺ちゃん?」
俺が同意を求めると爺ちゃんは軽く頷いた。
「じゃ、やっちまうか。」
俺は立ち上がり、庭に向かって歩きだした。
†・†・†
庭に移動した俺は、後をついてきた二人に向き合い、精神を集中し、詠唱を始める。
『‐我が身に宿る白銀の牙よ…我が喚び掛けに応えその姿を我に示せ』
目の前に六亡紋の円陣が現れ光輝く。
『‐出でよ 銀狼の大剣』
『ベルセルク』
刹那
六亡紋から閃光が放たれ視界は遮られた。
しばらくすると視力が戻ってきた。
そこで基之が見た物…
それは恵の背の丈を少し越える程の両刃の大剣。
装飾は特になく、一つ銀色の宝玉がつき…その宝玉の輝きが大剣の強さを表しているように基之は思えた。
「これが『召喚』だよ。」