□十二創支と違法者の女
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「遅いな…恵とルナ」

俺とメイは恵とルナと別れた後…メイに強制的に召喚師の勉強をさせられていた…。
魔力の扱い方を半日で頭と体に叩き込まれ、今は恵の家でぐったりしながら茶を啜っていた。

『そのうち帰ってくるわよ…それより、魔力の波長の感じを忘れないでよ』

「わかってるよ…てか…忘れたくても忘れられない……」

あの地獄の特訓を思いだし……一度身震いする。

『あんなの普通よ、ふ、つ、う!!アンタがひ弱過ぎるのよ』

その言葉に少しカチンときた。

「言ってくれるなぁ!!俺だって今日頑張ったじゃないか!!!!」

『"頑張った"で終わらせたら成長止まるのよ!!アンタには強くなってもらわなくちゃ困るのよ!!!!』

「うぬぅ…」

『なによ…』

俺達が睨み合っていると…玄関からガチャリという音が聞こえてきた。

「なんだ、帰っていたのか…」

緋訝だった。

「あ、爺ちゃん、おかえり…って俺の家じゃねぇけど」

と俺は笑う。
緋訝は俺が家に入り浸るのを別に気にしていないらしい。
いつも適当に相槌をうち、自分のお気に入りの椅子に腰をかける。

『緋訝、コイツに破術教えるのは早いわよね?』

メイは緋訝にお茶が湯気をたてた湯呑みを渡しながら訊く。

意外に気が利く。

緋訝はお茶を受け取り、テーブルに置いて、考える。

「どうかな…まだ早いとは思うが…早い位が丁度いいんじゃないか?」

それを聞いたメイは指を顎に当てて上目遣いで唸る。

『じゃあ明日あたり破術の基本を叩き込もうかなぁ……?』

その言葉に悪寒が全身に駆け、鳥肌がたった。

「あ〜……いや……俺は明日学校だし……」

『…この国にも学校があるの?』

俺が言い訳を言おうとした時、メイが不思議そうな声を上げた。

「あ、あぁ…あるよ」

『へぇ…』

相槌をうったあと…メイはニヤリと何か企みを思い付いた笑みを浮かべた。

嫌な予感が…
すっごく怖くて危険…ってか色々問題が起きそうな予感が………

『決めた…私も行くわ、学校に♪』

「な!?」

的中!!!
ストレートど真ん中!!!!

『だから、アンタと行くのよ、学校に』

「ダメに決まってんだろ!!!!」

と思わず叫んだ。
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