□召喚-戦闘-出逢い
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俺は大剣『ベルセルク』を片手で持ち上げ基之に鋒(きっさき)を向けた。
「これが…『召喚』…」
基之は呟き
「これが…」
自分の目指す者が決まったらしいようにその名を呟く。
「これが『召喚師』」
俺は少し複雑だったが…頷いた。
「御名答………召喚師になりたいなら爺ちゃんに習え、そんじょそこらの召喚師より強くなれるはずだ…」
ベルセルクを光の粒子に変えて消し、俺は複雑な心境のまま部屋に戻った。
†・†・†
ネクロノミコンが発動してから数日が経った。
基之はあれから毎日爺ちゃんに召喚師の在り方や召喚の術式、基礎知識を教わっている。
呆れる程熱心に爺ちゃんの話に耳を傾け、必要な事は丁寧にメモをする。
この熱心さを少しは勉強に傾ければ頭良くなるのにな…
そんな事を思いつつ、二階の自分の部屋に上がる。
扉の取手に手を伸ばした時…ふと部屋の中から何かの気配を感じる…
……まただ。
ネクロノミコンを手にしてからというもの…家に限らず行く所行く所必ず『何か』の気配を感じる。
…嫌な予感がする。
そっと取手に手をかける…全神経を部屋の中に集中する…
-バンッ!!
勢いを付けて扉を開く。
しかし中には誰もいない…ただ窓が開き、カーテンが風ではためいているだけだった。
(…気のせいか…)
そう思って俺は窓を閉めた。
窓の外にいる二人の召喚師の存在に気付かずに。