□戦闘開始-古城
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Φ・Φ・Φ
ウォルウィングの航行は滞る事なく進み、目的地へと辿り着いた。
そこは砂塵吹き荒れる砂漠丘。
砂地に降り立った俺、ルナ、基之、メイ、時音、雅樹、朱雀。
しかしその他に見知った顔があった。
「よぉ、坊主。随分とまぁ顔つきが変ったじゃねぇか」
「お前…レイシン!?」
蒼い鎧の真霊レイシン。
その横にはジャンヌ。
無論、マスターのクレアとフレイもいた。
「どうしてここに…」
「涼平とか言う奴にスカウトされたんだよ、『俺達の仲間になれ』ってな。坊主の名前が出たから面白いと思って話に乗った」
「私達の力はいりませんか?」
ジャンヌに問われ、首を振った。
「助かる。…その涼はどこに?」
「そろそろ来る頃だ」
レイシンが言った途端、一陣の風が吹いた。
そこには黒い服を着た涼と錬。
「…待たせたな、オーナー」
「気にすんな。…で、情報を早く教えてくれ。簡単にで良い」
「判った」
一息ついて、涼平は話始めた。
「奴等の目的は椿の能力“存在しないものを存在させる”を使ってかつての大神魔“メイディス”の復活だ。時間もあまりない。儀式の準備も整い始めてる」
「…そうか。まぁいけるだろ。…じゃあ作戦は一つ、俺達らしいやり方でいこうか」
『…やれやれ、ですね』
苦笑してルナ。
「良いじゃん、俺達らしくて」
笑って基之。
『…はっ!ワクワクしてきたわ!』
意気揚々とメイ。
「好きだな、お前ら…」
呆れて涼平。
錬は笑っている。
「想像つくな」
レイシンの一言に皆が頷く。
「では参ろうか」
雅樹の一言。
「白夜月光、これより全軍突撃を開始する!!」
俺の一声で皆が駆け出した。
それに応じる様に古城下に現れる何万という下級神魔。
「蹴散らせッ!!」
思い思いに敵を貫き、斬り裂き、進んでいく。
俺とルナも、掛かって来る火の粉を振り払い進んでいく。
古城に到達する頃には、あらかたの敵はかたずいていた。
「進入路はこっちだ。転送盤がある」
涼平に案内されて残る敵を粉砕しながら進む。
その先に六亡紋によく似た石の盤があった。
「乗れ、一気に転送する」
全員が乗り込んだ事を確認すると涼平が盤を起動させ、気付いた時は古城の中。
…古い様式の城内部は暗く、薄気味悪かった。
今にも動き出しそうな龍の銅像が並んで立って俺達を睨んでいる。
「…此処は次元式が組んであって下手な動きをするとすぐに別室に転「あっ…」送され…って!?」
「「基之ぃぃッ!?』』
あの馬鹿…不用意に銅像触って速攻転送されてんじゃねぇか…。
『あのお馬鹿は…もうッ…!!』
メイが駆け出す。
『私は基之を追うわ!!また後で合流しましょう!!』
「気をつけろよ!!??」
俺の言葉に片手を上げて応えメイも姿を消した。
「恵、先頭は俺が行く。しっかりついてこい」
涼平が駆け、俺達も後を追う。
足音だけが響く空間。
「基之君は大丈夫かな…」
時音さんが周囲をみながら言う、それにルナが答えた。
『大丈夫です。…私達は私達で出来る事をしましょう』
暗い廊下を駆けて、俺達は一路最上階を目指した。