*書斎*

□Mega master
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泣き虫な所は変わってないね


『恭弥のバカぁっ!』


『…痛…』


打たれた頬にそっと手を導く



『おいおい 雲雀、大丈夫かよ〜唇切れてんじゃ…』



唇は柔い三日月を創る


可愛い 愛おしい


僕だけの兎



『…なぁ、雲雀』


『…何、山本』


『…ソレ、喜んでね?』


『当然でしょ』



僕が抗争で綱吉を護ってついた傷も愛おしい誇りだけど



『…僕が心配で仕方ないんだよ。…本当』


可愛い



自然と零れる音色は


柔く 甘く


泣き虫の兎に届かなくても



それでも胸一杯僕が幸せだからしょうがない


切れた唇から滲む鮮血さえ何て甘露



だってそれは僕だけの兎の仕業だから



『…じゃあ、僕行くから』


『どこ行く気だよっ……て、あー…』



『うん、抱きしめに』


僕が綱吉を一人で泣かす訳ないでしょ?



言わずもがなな僕の行動



それは愛故に


それは彼故に



バサリと羽織ったスーツが風を纏う



そっと抱きしめて


そっとキスをしよう



最高の愛と少しばかりの罪を秘めてー…



End



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