*書斎*
□Sweet bell
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貴男の声だけが甘く切なく俺の胸を鳴らします///
『ふわぁ〜遊園地ですって、雲雀さんっ』
『…何?ふーん、新しく出来たんだ』
俺の声を一つ一つ拾い上げて返事を返してくれる何気ない態度が好き
身体をこっちに向けて俺が読む雑誌に目を通してくれる
雲雀さんが情報誌なんて読まないの知ってますよ
でも読んでくれるのは
心を傾けてくれるのは
俺だからって思っててもいいですか?//
『行きたい?綱』
『えっ…?』
嘘
『綱が行きたいなら一緒に行こうか』
だって
『…何泣きそうな顔してるの』
『だ…って、雲雀さ、こーいう所嫌いなのにっ…』
嘘みたい
夢みたい
叶わないって思ってた
『綱とならこういう場所も悪くないよ』
優しい眼差しも
俺を撫でる少し冷たい指も
まだ何処か夢を見ている様だったのに
『ね、行こう、初デート』
夢…じゃないんだ…
強く絡まる指が胸を甘く揺さぶる
『はいっ…行きた、ですっ…』