*書斎*
□Little wish☆☆4
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『…これで終わりでしょ。じゃあ僕帰るから』
ビシャッと勢い良く振り堕とされた血が水溜まりを朱く染める
気分が悪いったらない
僕の大事な綱を置いていった父親の朱と同じ
雷雨の中の事故なんて馬鹿じゃないの
綱の誕生日プレゼントを抱えてたからって僕が許す訳ないでしょ
死んだら何もかも終わりなんだから
その薄汚れた朱で綱に触るな
綱は僕が護る
肌に張り付くシャツは欝陶しいけどそれでもバイクを走らせる
雨の音が耳につくけど
僕を呼んで泣くあの子の声の方が僕の胸を揺さぶるから
早く帰って
抱きしめて
くちづけて
独りじゃないよって囁いてあげたいんだ