SEED&DESTINY

□星の瞬き-2
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そんなキラには気付かない振りで、アスランはキラに尋ねた。
「キラ、カガリにもう1回連絡して訊いてみてくれ。…キラを自分の双子だと、正式に公表するつもりがあるかどうか」
「え…。うん、分かったけど……。それって関係あるの?」
不思議そうなキラに雰囲気を少し和らげると、アスランは諭すように言った。

「あるさ。もし、公表しないなら、キラはただの准将であってそれ以上でもそれ以下でもない。でも、公表するなら、准将である以前に、国家元首の弟だ」

やっぱり何か違う。

アスランが遠い所へ行ってしまいそうな不安が滲み出てくる。それを押し隠して、キラは問う。
「それって……。今のままじゃ受け入れられなくても、公表したら、承諾されるってこと?」
「いや、可能性が上がる程度だな」
変わらず淡々と話すアスランに何故だか悲しくなって、キラはワザとむくれて言った。
「うん、分かった。………。でもなんで僕、弟なの?カガリの方が妹っぽいじゃないか」
すると、その拗ねた態度にアスランがクスリと笑う。

「……どっちもどっち、だ」

いつもと変わらないアスランにキラはホッと安心する。



-…僕の気のせいだったんだ-



しかし、それは次の言葉で打ち砕かれた。



「現国家元首が妹じゃ、色々ややこしいだろう?だからだよ」


笑いかけるアスランにキラはどうしていいか分からなくなった。


鮮やかな緑の瞳が大好きだった。

昔と同じ柔らかな笑顔なのに、その瞳はどこか冷たくて。



ねぇ…、アスラン。

どうしてだろう?

こんなにそばにいて、話して、笑っているのに……。

2人を隔てる物なんてないはずなのに……。

何故か、君が遠い。

憎み合って、殺し合ってたあの時よりも、何かがすれ違ってる気がする。

今度こそ、何かが決定的に離れてしまいそうな程に。
 
 
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