SEED&DESTINY

□思い出がいっぱい
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カガリが久々に公休日を取れたことにより、アスランはカガリと共にキラ達の元を訪れた。
「お久しぶりです」
出迎えたマルキオ導師に挨拶すると、かの導師は少し困ったように言った。
「ええ。よく来ましたね。…生憎、2人共少し出ているのです」
「えっ。…おかしいなぁ…。この時間に行くって伝えておいたのに」
カガリがちょっと拗ねたように言う。
「すぐに帰るそうですから中へどうぞ」


促されて入った先には子供-導師が世話している戦災孤児-が待ち受けていた。
「あっ、カガリだ」
「アスランもいるよ」
「違うよ!アレックスだよ」
2人を見ると、一斉に集まって来た。
「おうっ!久しぶりだな。元気にしてたか?」
嬉しそうなカガリとは対照的に、アスランは困り気味だ。
「ねえ、アスラン。これ壊れちゃったんだ。直せる?」
「私が先!これ直して、アレックス」
「わっ…。ちょ、ちょっと待って…」
壊れたオモチャを手に、押し寄せる子供達にオロオロするアスランを見かねてカガリが助け舟を出す。
「おい、何かゲームでもしないか?」
少々ぎこちなく、唐突な言葉に子供達が食い付いた。
「あっ、するする!負けないからね」

-オモチャはもういいのか?-

そんなことを言ったら墓穴を掘るのが目に見えている。決して言うつもりはないが、思わず口をついて出そうになった程見事な引き具合だった。
カガリも余りの食い付きの良さに唖然としたまま子供達の波に押されていってしまった。
アスランの周りに残っているのはほんの2、3人だ。
-これ位ならなんとかなるかな…-
アスランは後ろで微笑んでいるマルキオ導師に声を掛けた。
「工具箱を貸して頂けますか?」
「ええ。ただ、場所が分からないので…」
「大丈夫です。以前、一度お借りしましたから」
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