SEED&DESTINY

□星の瞬き-2
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惚けたように突っ立っているアーサーをレイがこっそり小突く。

「………。は、初めまして。この度は…受け入れて下さりありがとうございました」

明らかに動揺しているのが丸分かりなアーサーに溜め息を吐きたくなる。しかし、そんなアーサーのお陰で自分達はだいぶ平静を取り戻せた。

「プラント政府からの返事は保留状態です。部屋を用意しますので、しばらくお待ち下さい」

彼女はアーサーの少々滑稽な挨拶を笑うこともなく、むしろ申し訳なさそうに言った。

その言葉にイザークの眉がピクリと動く。

「保留状態だと?…本当ですか?ラクス嬢」

驚いたことにイザーク・ジュールとラクス・クラインも知り合いのようだ。だが、考えてみればアスランとイザークは同じ隊にいたそうだし、ラクスはアスランの婚約者だ。知り合いでもおかしくない。

となると…。

「そうカッカするなって…。何かあったのか?」

やっぱりディアッカも知り合いのようだ。



「それは俺が説明する」



扉が開き、アスランとキラが姿を現した。心なしかキラの顔に戸惑いが浮かんでいる。

「何があったんだ!!」

胸倉を掴まん勢いで詰め寄るイザークにアスランは淡々と告げる。
「オーブ政府から通信が入ったんだ。…もし出来るなら、アークエンジェル及びクサナギはプラントにて会談を行って欲しいと…。要は、オーブの正式な訪問の前に、その理念をあらかじめ伝えておいてくれ、ということだな」

-まただ…-

キラは思った。
カガリからの通信が来たと伝えてから、アスランはずっとこんな感じだ。
いつものアスランとどこか違うのだ。

何というか……。

妙に冷めている気がする。


誰か同じように感じた人がいないかと周りを見るが、誰一人キラのような違和感を感じていないようだ。

「つまり…。アークエンジェル及びクサナギも同時に受け入れろって話になって、プラントが渋ってるワケね…」
ディアッカが納得、とばかりにフンフンと頷く。
「……全くこの時期に」
イザークも腹立たしげにボヤくものの、それ以上は言わない。
「この時期だから、だろう……。少し気が早い気もするがな」
アスランの最後の言葉が妙に皮肉っぽく聞こえて、キラの困惑は深まるばかりだ。

 
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