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大きな屋敷の門の前でアスランは花束を抱え、途方に暮れていた。
ことの始まりは数日前。
多忙な父に呼び出された。何か重要な用件だろうと思い、気を引き締めて書斎へ入った。そして父が緊張した面持ちのアスランを一瞥すること無く告げた一言。
「今日からお前はラクス・クラインの婚約者だ」
何の前置きも無しに告げられた一言に頭が追い付かない。それに、あの“ラクス・クライン”が自分の婚約者だと!?
混乱しているアスランにようやく目を向けたパトリックが言う。
「何をしている?用はそれだけだ。分かったら今週末にでも会ってこい」
あんまりな言い種に我に返ったアスランが言い返す。
「そんないきなり言われても困ります。あのラクス・クラインが婚約者だなんて!」
「ふむ…」
パトリックはアスランの顔をじっと見た。そして、手元の資料に目を落とした。そして、何か実験の結果を説明するような口調で告げた。
「お前とラクス・クラインは“対の遺伝子”を持つそうだ」
-どうしてこの人はこうも説明を省くんだ!?-
アスランは頭痛がしてきた。そんな一言で説明出来る話題じゃ無いはずだ。
そこまで考えた時、頭に閃く物があった。
「…婚姻統制!?」
思わず漏れた一言にパトリックは頷く。
「状況は理解したな?分かったら行け。私は忙しい」