魔人探偵脳噛ネウロ

□始まりの銃声
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とある、深夜のビルの群れ


車と、ざわめく人の気配には程遠く、暗くて静かな細道



男は、足を絡ませながらも恐怖から逃げる




(・・・なんて、無様な逃げ方)




影は、後ろから男を追いかけながら素直な考えを浮かばせた





男の速度は、遅い


恐らく、本気をだしたら追いついてしまうだろう



・・・だが、追いついたりはしない



男に、たっぷりと恐怖を味合わせるため





影の手の中には、一丁の銀色の銃が握られていた








「ひっ、ひぃぃぃ!」


男が、情けない声を出して転んだ



(・・・お前は、今まで何人の涙を見た)



影はそんな男にゆっくりと近ずいていく




(・・・お前は、今まで何人の叫びを聞いた)




銀色の銃が、音をなした


ガキン、と虚空に響く金属音




「こ、殺さないでくれぇぇ!」


男の、泣きそうな声誰もいない道に響き、消えていく




(・・・お前は今まで、何人の血を見てきた)



だが、影は容赦無く男へその銃口を向けた


まっすぐと、迷うことなく




男が、腰を抜かして逃げられない恐怖から、奇妙な声を漏らしている



影は、微動だにしない





そして


























































































「・・・バイバイ」


その引き金を、引いた












静かな空に銃声が走り抜け、・・・やがて、去っていった









影は、もうそこにはいなかった




















次の日、男は通勤途中の男性に見つけられた



男は、電柱に寄りかかるように倒れていた


その体に目立った外傷はなく、ただ気を失っていただけだった





ただ、男は目がさめると警察へ連れて行けと騒いだ




・・自首するために




男は、連続殺人犯だったのだ








そして、男はつかまった









・・・・男が寄りかかっていた電柱には、鉛の弾丸がめりこんでいた









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