淡桜散華
□過去拍手御礼文A
2ページ/7ページ
方程式の解き方
「わっかんねー!何で答えは3なんだ!?」
「…トパック、また間違えたの?」
目の前で参考書を投げ出し机に突っ伏したトパック。
もう、テストへのカウントダウンは始まっているというのに…
「いい?トパック。まずはa=2だからここに2を代入するの。するとこのxが…」
…珍しく静かに聞いてるな、と思えば…
トパックの口から漏れるのは、理解の相槌ではなく規則正しい寝息。
まったく、もう…
私は投げ捨てられた参考書を拾い上げ、余白にさらさらと方程式を書いて教室をでた。
「これくらい解けてよね!」
と一言添えて…
翌日、席に着いた途端、トパックが満面の笑みで走ってきた。
「昨日の方程式、オレ解ったぞ!」
…本当かな?
そんな怪訝な顔をした私の耳に、トパックはそっとささやいた。
「答えは…“大好き”だよ!」
『恋の方程式』
『トパック+x=私』
、