短編4♪

□いつも
1ページ/2ページ





「じゃあ、おやすみ」


「あぁ、おやすみ」






そう言って、眠りについた俺と精市。











光を感じて


目をゆっくりと開けば




二コリと微笑んで


まるで、夢だと言うように







まぶしく光っている精市が居た。








「おはよう、弦一郎」






あぁ、コレはやはり夢なのだな






朝、一番に聞くのが精市の声だとは・・・







「あぁ、おはよう」








毎朝、暖かい朝食と綺麗な笑みで俺を起こしにくる精市。








俺は今、とても幸せなのだろう。







「どうかしたの?
今日はずいぶんと深い眠りについていたみたいだけど・・・」




三度くらい声をかけても、起きなかったからビックリしたよ



そう言って笑うお前は、とても美しい。

俺のそばにいるのはもったいないのではと思うほどに。



「幸せそうだったから、少し眠らせたままにしておこうと思ってね
いい夢でも見ていたの?」





「・・・そうだな。
とてもいい夢を見ていた」





お前と、いつものような毎日を過ごす夢だった。







いつもと変わらぬ
とても平凡で、とても幸せな時間だった







いつものように、俺に合わせて和食を作ってくれる精市と


味噌汁、ごはん、焼き魚、漬物、ほうれん草のおひたし


料理が上手いと感じていた自分の母親と同じくらいに・・・


・・・もしくはそれ以上にも、美味い飯を作る精市。








これは、夢なのだろうか






「何を言っているんだい?
弦一郎は、今俺の目の前にいるじゃないか
これが夢なら、どれだけ幸せな夢だろうね・・・」




お前が居れば、幸せだと


今はそう言い張れる





「でも、寝ても醒めても
弦一郎と一緒にいれるなら・・・」





「俺は一生をずっと大切に生きられるよ」





今にも消えてしまいそうな君を

抱きしめて






「・・・」





夢でもなんでも構わない。


もう、お前がそばに居れば・・・






「大丈夫、俺はずっと弦一郎のそばにいるよ」





にっこり笑ってくれる精市に、思わず笑みをこぼし




「ごちそうさまでした」


「おそまつさまでした」





今日もまた、幸せに凄そうか。



「では、行ってくるぞ」


「いってらっしゃい」





ガラリと扉を閉めて





俺には帰る場所がある










END

(おかえり)
(そう言って君を迎えよう)
(俺たちの家に)
(これからもずっと君のそばに)







アトガキ

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ