みんなで焼き肉行こうぜー。
気だるいメールが十文字くんから届いて、急いで支度をしていたら蛭魔さんに手を掴まれた。毒が盛ってあるだとか全員分の会計を自腹切らされるとか。まさかそんな事するような人達じゃないよ、蛭魔さんじゃあるまいし。
「とか何とか言って、本当は蛭魔さんも行きたいんでしょー」
「馬鹿言え」
誰が行くかと言いながらも片手には銃と財布が握られていて。あー素直じゃないんだから。
「ていうか財布持って行くんだ」
「当たり前だ」
「…意外」
だって十文字くんとかに無理矢理奢らせそうだと言い切ってみれば、それもそうだと不敵な笑みを返された。同時に財布を持って行くのはてめぇの為だと、またニヤリ。
「自分で払えるよ」
「何言ってやがる」
自分の女に金出させる奴がどの世界にいるって言うんだ。
紳士的ではないと思っていたのだが。いやはや、これは見事な不意打ちである。
(071114)
「で、蛭魔さん所持金の程は…」
「てめぇが気にする事じゃねぇ」
「でも、」
「腹一杯は余裕で食わせてやれる」
ふ、不覚にもときめいてしまった!