ゆっくりと押し倒した身体はどことなく熱を持っているような気がした。潤む目と視線が合って気恥ずかしいながらも湧き出るこの感情は何なのだろう。
暫くすれば考える余裕もなくなるのだが気を紛らわせなければとてもではないがこちらが保たない。いっその事と絡んだ視線のまま唇を啄む。貪る。悩ましげに眉間に寄った皺に性欲を駆り立てられる事は解っていた。ただ、予想以上であっただけで。
「じゅう…っ」
「焦るなよ」
優しく髪を撫ででやったつもりが、それにすら反応が返って来るので堪らなく保たない。
服の裾から触れた肌はやけに熱くて少しばかり驚きはしたが、自分もそれと何ら変わりなかった。猛っているのはお互い様であったのでそのような共通点にすら感動を覚えてしまう。
「ヤベェ、俺、幸せかもしれねぇ」
「、単純」
「何つーか…ずっとこうしてたい」
「やめてよ動けない」
一つの個体になった身体は互いの熱を吸収しては逃げ場を失う。おかげで体温は上がる一方で。暖房を入れたはずの空気を冷たく感じるのもその所為の他ならない。
(071209)
そして甲高く愛を叫んだ。