sleep.01

□弾け飛んだリキュール
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口数少ない彼は大人で、私は何も知らない無知な子供であっただけだ。
寂しいと言えば彼はしっかりと抱き締めてくれていたし。それでもまだ足りないと何かに焦っていた私は、今となっては一体何に焦っていたのかも解らないというのに。

「、かけい」

「大丈夫だ」

「かけ、い…!」

「ちゃんと愛してるよ」

掴んだジャージは皺になってしまった。気にするなと笑ってはいたものの、何だかそれすら嘘みたいだなぁとまた涙が出そうになった。





(水町くんはまだ水泳が好きなんだよ)
(そうだな)
(アメフトより、も)
(同じくらいじゃねぇのかなぁ、今はさ)
(…)
(…)


「やっぱり水町くんはさ、筧」

「なぁ」


あいつはお前の事好きだよ、絶対


(そうかな…)
(そうだって)
(愛してるって?)
(そう言ってた)



(071120)
大丈夫とか。愛してるとか。水町の気持ちを筧くんに代理させただけです。筧くんだいぶ嘘吐いてますけど。


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