深い所まで知っているわけではない。それが例え幼いころからの付き合いであったとしても。
「ちゃんと言ってくれなきゃ解らないんだけど」
「察しろよバカ」
「うん、そうなの、バカだから解らないの」
売り言葉に買い言葉であるのだがそれだけで終わらせる気は毛頭ないと、見つめた彼の目が言っていた。
つまり、と続けられる言葉を呼吸も最大限せずにじっと黙って待つ。催促をすれば出るものも出ない事も知っている。
「バスケ、やり直してみようかなぁとか。思った」
「喜ばしい事だね」
「は?感動がたりねーんじゃねぇの?」
「だって限度が解らないものだから、さ」
私はバカなんでしょう。
にやりと笑う、そうだな。
手を伸ばした頭はさっぱりとしていた。
(080422/拍手)