Kreutzer
□第三話 誕生式典
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人々は広場に集まりはじめていた。
7歳の誕生日を国で祝うために。
* * *
「リット可愛い!
ピウちゃんとお揃いなんだね。」
「そうなの。
でも、ちょっと違うのよね。」
「どこが?」
「胸のレース。」
いわれてみて確かに違ってい
た。
リットのは、バラの花があしらってあるのに対し、ピウのは、蝶があしらってあった。
「リットの母様細かいですね。」
グレンがボソッと言ったのだったが、
「あら、ありがとう。」
マリアが入ってきていた。
もうすぐ時間らしい。
「もう時間ですか?」
「もうすぐですよ。」
みな急に忙しなくなった。
楽器をもう一度確認して、あわせて、譜面を見なおしだした。
コンコンコン
「お時間ですので車に。」
「「「はい。」」」
* * *