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□ONE HOLIDAY
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寒い。

最近は秋なんかあったかな、と思わせるぐらい暑さが続き、突然真冬並の寒さが訪れた。
朝なんかは中々布団から抜け出せない。この温もりがなくなったら僕は死ぬ、と思える程だ。
だけどそうも言ってられない。毎日毎日休みなんてないぐらい任務がある。遅刻すると御子柴隊長は煩い。自分は普通に遅れるくせに、僕が遅れるとやれ痴漢にあったか、とかやれ暴漢に何かされたのかと責め立てる。何なんだろう、彼は。

しかし今日は久々の休み。しかもまだ朝の9時。今日ぐらい、寝坊したって構わないだろう。元々僕は低血圧で朝は苦手なんだ。いや、真夜中に叩き起こされても起きれないけど。

寒い、と毛布を顔に被せて丸まる。暖かい、と思った瞬間だった。





うちはいつから、マネキンをベッドの近くに飾っただろうか。しかも2体も。















・ONE HOLIDAY・
















綺麗な顔をしたマネキンは、僕と目が合った途端、嬉しそうに笑った。



「「おはよう、羽沙希(藤堂)」」



見事にハモった二人は互いを睨んで牽制し合っている。
いやいや、何で。
いや、疲れから来る幻だ。もっと寝ないと…
そう思って布団を頭から被ると、布団を取られた。寒い寒い寒い凍えます止めて下さいもう本当に勘弁して下さい。



「おいおい、何寝ようとしてんだよ」

「そうだよ藤堂。折角遊びに来てあげたって言うのに…」



こうも頼んでもない事を爽やかにされると、現実逃避したくなりますね。

眼鏡を掛けて現状を明確に把握しようと辺りを見渡す。侵入経路…出窓にはその形跡はない。と言う事は普通に玄関からか。尚腹立たしい。
と言うか目的は何なんだろう。御子柴隊長がいるのも驚きなのに、あの御子柴隊長を毛嫌いしている上條隊長までいるから驚愕の目覚めだ。怖い。



「すいません、何でお二人はここに…?」

「だって、仕事に出たら羽沙希いねぇから…」

「言っておきますが御子柴隊長が無理矢理僕を休ませたんですが?」



有給消化しろって言いながら有給届けを勝手に出した張本人を見ると、舌出してごめんご★と謝った。殴りたい。

問題は、上條隊長。何故この人まで?
するとそれに気付いたのか、上條隊長はにこり、と綺麗に笑って言った。



「噂で藤堂が休暇を取ったと聞いてね、チャンスだと思って」

「チャンス…?」

「うん、手込めにするチャンス」



帰って下さい。警察を呼びますよ。




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