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□START
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「羽沙希くーん、出て来てよ〜」
「……………」
涙が出そう。
・START・
除夜の鐘も鳴り終わり、辺りが静かになり始めた頃。もう寝ようかと言ったのは式部隊長で。(また不法侵入され、年越し蕎麦を頂きました)
眠かった僕は素直に頷いてベッドに潜った。
ら、式部隊長まで潜り込んできたのはいつもの事で。
いつものようにお休みと言いながら額にキスをされて、恥ずかしくて布団を頭からかぶってそのまま眠りに就いた。
朝もいつも通りで挨拶が違うだけだと思っていたのに。
「ん…」
窓から朝日が射し込んできて、眩しさに目を覚ました。
隣を見ると、もう式部隊長の姿がなかったから自分も起きようと体を起こした瞬間。
「…………………?」
やけに自分の寝間着の生地が立派な事に気が付いた。
………………なんと彩り鮮やかな。
「あ、起きた?明けましておめでとう」
「あ、え…………あ……………え…?」
ひょっこり寝室に顔を覗かせたのはいつも通りの式部隊長。