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□COME CLOSER
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「何がそんなに怖いんだ?」



銀色の糸を引いて離れた唇を目線で追う。
綺麗な形をしている唇からは、僕には辛い呪文がつらつらと流れる。



「俺はお前が好きだ。愛してるんだ」



認めたら、青が消える。
消える。怖い。


怖いんだ。僕は。



青が消されるのが。
“常識”を。赤で、“感情”で。



潰されたら僕は。





「………僕は、女じゃありません」



肩で息をしながら、言い切った。体の力が抜けて立つ事もままならないけど、御子柴隊長に腰を支えられて何とか立っている事にはなっている。
隊長は何も言わずに僕を見る。


それも堪らなく怖い。



「僕は男です。その台詞をそんな僕に言っても…」

「お前は俺が嫌いか?」



どうしてこの人は、辛い質問をするんだろう。
きっと分かってて聞いているんだ。
その証拠に、



笑ってる。



「俺はお前が、羽沙希が好きだ」



別に男が好きなんじゃないぞ、と貴方は笑う。


じゃあ、



「……何で、僕なんですか…」



青が破裂しかけている。



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