夢2

□言葉以外貴方に奪われてしまったの
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シトシトと降り続ける雨が室内を湿らせる今日。
 
 
 
 
 
本だらけの部屋にちょこりとあるソファーに座りながら昼ドラチックなドロドロとした人間関係を描く番組を見ながらチラリと膝元を見ると、そこには愛しい恋人の寝顔があり、幸せな気持ちになる。
 
 
 
 
 
「ねぇ、暇だよぅ……」
 
 
 
 
 
そう言って隣に寝そべって、片手をだらしなくソファーから放り出している天蓬の頬をペチペチと叩くが、返答の代わりに規則的な寝息だけが聞こえてくる。
 
 
 
 
 
叩き起こしてやろうと手を高くあげたがその手は天蓬の寝言によって仄かに赤く染まった自分の頬を、しまった!と、いうように顔を覆い隠した。
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寝言だろうと"沙耶、結婚して下さい"だなんて言われたら嬉しいだろ、畜生!
 
 
 
 
 


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