夢2
□狂愛
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「ねぇ、さっきからずっと喋らないとか、いい加減にしてよ」
そう言って僕は沙耶の髪を鷲掴みにし目を合わせると唇の隙間から小さな悲鳴を微かに漏らし怯えたような視線で見てきた。
「そんな目で見ないでよ」
まるで僕のやっている事が悪い事みたいじゃないか。
そう。悪いのは僕じゃない。君なんだよ。
君が僕の好きなあの笑顔で他の人の話をしなきゃこんな事にならなかったんだよ。
「ね、いっそさぁ…………」
君が生きている限り僕以外の誰かが君を見る。そして君も僕以外の誰かを見る。
それならばいっそ、
「消えてよ」
僕の手で。
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ずっと一緒に居られるよ。