夢2

□小さな飴と小さな手
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「銀ちゃん銀ちゃん銀ちゃん!」
 
 
 
 
 
パタパタと音をたてて走って来たのは愛しい彼女。
 
 
 
 
 
愛しい沙耶に呼ばれちゃあ、ジャンプなんか読んでらんねぇと言うように本を閉じて机に置く。
 
 
 
 
 
「あれ?銀ちゃん、もうジャンプ読まないの?」
 
 
 
 
 
「あぁ、それよりどうかしたのか?」
 
 
 
 
 
問えば沙耶は、そうだったと手をポンっと合わせて服のポケットをあさった。
 
 
 
 
 
「あのね、あのね」
 
 
 
 
 
はい。これ、と差し出してきたのは小さな飴だった。
 
 
 
 
 
「これがどうした?」
 
 
 
 
 
すると、沙耶は少しハニカンで小さい声で説明しだした。
 
 
 
 
 
「えと……、お菓子買ったら付いてきたの。で、銀ちゃん、飴好きだから持ってきたんだ」
 
 
 
 
 
迷惑だったかな?と不安気に聞いてくる沙耶。迷惑なんてあるものか。
 
 
 
 
 
「サンキュー」
 
 
 
 
 
わしわしと頭を撫でてやると沙耶は頬を仄かに染め、嬉しそうに笑った。
 
 
 
 
 


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