夢2

□僕がいるから
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「沙耶……?」
 
 
 
 
 
先程から沙耶の姿が見当たらず、あちらこちらと探しまわっていると外に小さな影を見付けた。
 
 
 
 
 
それは沙耶で、その後ろ姿は今にも消えそうな程儚くて、悲しそうだった。
 
 
 
 
 
「沙耶……」
 
 
 
 
 
二回目。名前を呼ぶと沙耶は、ハッと我に返ったように僕の方を向く。
 
 
 
 
 
「は、八戒……」
 
 
 
 
 
沙耶の声は何故か怯えていて、僕を不安にさせた。
 
 
 
 
 
また一人で何かを溜め込んでいるのか?それを伝える前に僕は沙耶を抱き締めていた。
 
 
 
 
 
「は、はっか「沙耶」
 
 
 
 
 
低く出した声のせいで沙耶は肩を振るわせ、黙り込んだ。
 
 
 
 
 
「僕が、僕が付いてますから。だから安心して下さい」
 
 
 
 
 
嗚咽混じりに聞こえた沙耶の返事は聞こえ難かったが、十分伝わった。
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振るえる肩を抱いて。
 
 
 
 
 


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