夢2
□誰よりも
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昼下がりの午後、ソファーに腰掛けテレビを真剣にテレビ画面に映し出される映像にかじりつく。
その時、現実から離れかけていた私の思考を呼び戻すように名前を呼ばれた。
「なに?」
その声は八戒。話を聞こうとそちらの方を向きたいがテレビ画面から目が離れず空返事をする。
「この番組、そんなに面白いですか?」
いつまで経っても意識と視線を自分に向けない私を見て、私の隣に座った。
番組も後半に差し掛かり、ラブストーリー要素を含むそれは、目が離せない。
「ね、八戒?」
「なんです?」
私が八戒の手を握ると同時に、テレビの中の恋人達も手を繋ぎ絡め合う。それは私達のようだった。
「あのね、」
私が次の言葉を言おうとした瞬間にテレビの中の男がプロポーズをした。
そしてプロポーズをされた女は涙を流し、私は幸せ者だわと泣いて男の胸に飛び込んだ。