夢3
□忘れ物には気を付けて
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あぁ、もう最悪だ。最悪過ぎる。
「あれ?君は確か……沙耶さんだっけ?」
教室に忘れ物をして、取りに来たばかりに危険要注意人物、花中島マサルに出会ってしまった。こいつはよく分からない。何か肩に何か付いてるし、髪型おかしいし、てか性格事態がおかしいし。
「あ、あぁ……花中島君……。奇遇だね……」
笑顔を引きつらせながらそそくさと自分の席に行き忘れ物を手にする。
「そうだね。忘れ物でもしたのかい?」
「う、うん。そんなとこかな……」
あぁ、会話が。会話が成り立っていく……!早くこの場を去りたい。
「えと、じゃあね。花中島君」
そして教室を出ようと花中島君の側を通りかかった瞬間、左手首に違和感を感じ、そこを見ると花中島君の手が私の手首を掴んでいた。
「――……花中島君?」
花中島君をちらりと見ると先程までのふざけた顔は無くなっていて、
「時間、遅いから送って行くよ」
不覚にも心拍数が上がってしまった気がした。
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貴方を愛しく思うのは、そう遠くない。