夢3
□色濃いハナミズキ
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「ぎーんちゃん、銀ちゃん」
そう言って銀ちゃんの周りをちょろちょろとする。これが私の日常。
なんだ?と振り向く銀ちゃんは格好良くて、いつも私をドキドキさせる。
「あのね!今日は銀ちゃんにお話があります!」
出来るだけ元気よく、そして想いを伝えられるように。首をかしげる銀ちゃんの手をぎゅっと握り締めると握り返してきてくれた。(心臓まで握られた気がした。)
「あのね、」
「沙耶?」
決意を決めたのにうつ向いて、あのね、その、を繰り返す私を見て不審に思ったらしい銀ちゃんは私の顔を覗き込んできた。
「わ、わわわ私……」
「ん?」
「私、銀ちゃんが好き、です」
多分私の顔は真っ赤に違いない。瞬間、握っていた手が解かれ銀ちゃんの掌が私の頬を優しく包まれ、向き合う形になった。