夢3

□今日は積極的に
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雨の降る日曜の朝、いつものように新聞を読んでいると沙耶ちゃんが目の前に来て、
 
 
 
 
 
「あの、えと……明日晴れたら買い物に行きたいです……」
 
 
 
 
 
が、いいですか?と次第に小さくなる声で言う沙耶ちゃんを見つめ、いいよと頷くと、表情は変わっていないがどことなく嬉しそうだった。
 
 
 
 
 
お礼を言うとすぐにソファーに戻る沙耶ちゃんを見つめていると、時任が沙耶ちゃんに近付き、
 
 
 
 
 
「あのさ、ずっと気になってたんだけどよ……あの、とかじゃなくて名前で呼ばねぇ?」
 
 
 
 
 
それを聞いたとたんに沙耶ちゃんは少し戸惑いながら短くうん、と頷き抱き締めていたクッションを握り締めた。
 
 
 
 
 
ほら、今呼んでみろよと急かす時任を前に、困りはてている沙耶ちゃんに助け船を出す。
 
 
 
 
 
「……ほら、沙耶ちゃん困ってるでしょ。無理強いは良くないよ」
 
 
 
 
 
軽く時任の頭を叩くと不満そうにして小さい声で謝った。
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二人を見詰める少女に何かが変わりつつある。
 
 
 
 
 


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