夢3
□てるてる坊主の作り方
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夜、ご飯を食べるとき以外はずっと窓に両手をつき、雨の降る外を見つめている沙耶に、久保ちゃんから持って行くように頼まれた靴下とホットココアを渡すと、ありがとうと呟いた。
「雨、止まねぇな……」
「……うん」
しょんぼりとしてうつ向く沙耶の頭を乱暴に撫で、
「てるてる坊主でも作るか」
と、言うと沙耶はてるてるぼーずって何?と首をかしげた。
「上手く説明出来ねぇけど……てるてる坊主ってのは、晴れて欲しいときに窓際にぶら下げるもんだな」
ほら、と近くにあったティッシュでてるてる坊主を作ると、沙耶もそれを真似て作っていた。
その時の沙耶の手付きが子供のようで思わず笑ってしまった。
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(明日晴れるといいな)(うん)(そしたら久保ちゃんとお前と俺と三人で買い物行こうな!)(――……うんっ)