夢4
□子供扱いには裏がある
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今日も仕事が終わり校門まで行くと、そこにいたのは自分に向けて手をぶんぶんと振る彼女、沙耶。
「ゆーうーっ」
高校生だというのに幼さがまだ残っている顔は何だか疲れている体を癒してくれる。近付いて抱き締めると顔を真っ赤にしてきゃあきゃあと騒ぐ。
「はいはい、騒がない騒がない。僕が小さい子を襲ってる変態みたいに見えちゃうだろ」
「ち、小さい子じゃない!」
笑ったかと思えば照れたり怒ったりと喜怒哀楽の激しい子だ。するといきなり沙耶が口をぱくぱくとさせ、何かを言いたげにしていた。どうしたのと聞くと今日一緒に夕食を食べようかなって、と控え目な声が聞こえてきた。
「夕食?いいよ。どこで食べる?」
あ、良いお店知ってるよと言うと沙耶は首をぶんぶんと振った。
「ち、違くて……私の家で食べたいな……」
駄目かな?と首をかしげられれば駄目だなんて言えない。言うつもりはないのだが。良いよと言えば嬉しそうに僕の腕を掴み歩き出した。