夢4
□足取りは軽くて
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今日は晴天。よく晴れている。朝、目を覚ましすぐに窓ガラスに手をくっつかせ外を見れば青々とした空が広がっていた。昨日作ったてるてるぼーずが効いたのかなと空を見つめていると良く晴れてるね、と隣から声がした。
「……あ、おは……おはようございます」
「ん、おはよ」
煙草の匂いが微かにする。じゃ、今日は予定通り買い物に行こうかと言われて頷くとのそのそともう一人の人が起きて来た。そして皆、服を着替えて玄関のドアを開ける。雨の匂いはしなくてお日様の匂いがした。
「沙耶ちゃん行くよ?」
「沙耶早く来いよ!」
「あ、……はい」
何だか行きたがっていた私よりもあの元気な人の方がはしゃいでいる気がする。その瞬間、ぞわりと嫌な感覚が背中を走った。周りをきょろきょろと見渡すが特に不審なヒトや物は見当たらない。けれどなぜだかもやもやとした黒い渦巻いている物が私を支配しているようだった。
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けれど二人に向かって走った足は軽かった。