夢4
□子供のような貴方が好きなの
1ページ/2ページ
苛つく。苛つく。苛つく。太子が仕事をしない。私の前でヘラヘラと笑いながら世間話を持ち掛けてくる。そんな太子を睨み気味で見つめる。
「…………太子」
「なんだ?」
「仕事して下さい」
瞬間、嫌嫌と床に寝転がりバタバタと暴れだした。
「ちょっ、太子!みっともないですよ!」
あぁ、もう。妹子さんがいれば何とかなったのだろうが今日は違う仕事でここにはいない。本当に困る。
頭を抱え込んでいる私の前で未だバタバタと暴れている太子。
「どうしてそんなに仕事したくないのですか!」
太子はしゅんっとした表情で私を見てぽつりぽつりと言い出した。
「……だって、沙耶と一緒にいたいんだ。仕事し終わったら沙耶は行っちゃうんだろう?」
いつもになく真剣な顔。不覚に心音が聞こえてくる。なら、仕事が終わったら一緒にどこか行きましょうと気付いたら言っていて、子供のように喜んだ太子がいた。
―――――――――――
(さぁ、早く仕事を終わらせましょう)(よし!やるぞ!沙耶、約束だからな!)