夢4
□服を握る手が小さくて
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「骸ー、ムックー」
「沙耶……その呼び方は止めて下さい」
骸ーとか言いながらずっと僕の腕に絡み付いてくる沙耶。その様子が可愛くて可愛くて仕方がない。何気なく頭を撫でれば擦りついてくる。本当に愛しく感じる。
「ねー、むっくん?」
途端沙耶が顔を上げて僕を見つめてきた。はいはい何でしょうと答えると無邪気な瞳は僕を見つめた。
「今日はどこにも行かないよね?私のそばにいてくれるよね……?」
沙耶にしては控え目の問い掛け。沙耶の両手は僕の服を強く握り締め、行かないでと言っているように感じた。そんな小さな手を服から離させ握り締める。
「クフフ。僕が居なくて寂しかったんですか?」
「うん。寂しかった」
服から離された手は僕の手を握り締める。
「大丈夫ですよ。これからはずっと沙耶といますから」
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離れている時間はとても長く感じるの。
後書き―――――――