夢4
□好きって言って!
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「八戒ー」
「はい、何でしょう?」
今日こそ。今日こそ言ってもらうんだ。八戒に好きだって。
「ね、ねぇ?これって何て読むのかなぁ?」
近くにあった紙に「銛」と書き八戒に見せれば何でもかんでも人に聞くのは自分の為になりませんよ、と額を小突かれた。
「えと……えと、えっと……」
八戒に好きって言ってもらうにはどうしたらいいんだろう……。
「沙耶はさっきから何をしたいんですか?」
挙動不審ですよと言われびくりと肩を振るわせる。何かを言おうと口をぱくぱくとさせると八戒は可笑しそうに肩を振るわせ、次第には声を出して笑いだした。
「沙耶は本当可愛いですね」
正直そんなに笑われた後に言われてもあまり嬉しくない。
「そんなに膨れっ面をしないで下さい。すみません、意地悪し過ぎましたね」