夢4
□雨と傘と赤い頬
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「あ、雨」
不意に鼻に冷たい感覚がしたと思い、上を見れば雨が降っていた。ぽつりぽつりとコンクリートに丸い模様を付けるように雨が地面を濡らしていく。
まぁ別に家までもう少しだから、と歩いていると雨が何かに遮られた。何かと思い見上げるとそこには呆れたような表情の獄寺がいた。
「あれ、獄寺……どうしたの?」
「どうしたの、じゃねぇよ。お前の方がどうしたんだよ。雨の中傘も射さずにフラフラと」
「いや、歩いてたら雨が降ってきて、まぁ家も近いから別に濡れてもいいやーみたいな」
ははっと笑うと馬鹿野郎と頭を小突かれた。少し苛ついたように獄寺を見ると、雨で髪が無くなるんだぞ、とか必死で伝えようとしていた。
そんな姿が可笑しくてお腹を抱えて笑うとまた頭を小突かれた。
「ほら、蓮見……分かったなら早く入れよ」
「なに。入れてくれるの?」
からかうように言えば顔を真っ赤にする獄寺がいた。
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(ごっくん。顔が赤いよー)(う、うるせぇ!)(はいはい、照れない照れない)